よく聞く「動脈硬化」とはどんな病気? 原因・症状を知って早期発見につなげよう|Leo葵クリニック|名古屋市新栄の神経内科・内科

トピックス Topics

地下鉄「新栄町」駅から
徒歩30

よく聞く「動脈硬化」とはどんな病気? 原因・症状を知って早期発見につなげよう


「動脈硬化を防ぐために〇〇をしよう」のようなフレーズを、日常生活のなかで耳にしたことはありませんか。


動脈硬化について、高血圧になってしまう、血管がボロボロになる、などのイメージをなんとなく持っている方もいるかもしれません。一方で、大きな病気になって入院するときに初めて、動脈硬化そのもののリスクを知る方も少なくありません。


大きな病気を未然に防ぐためには、動脈硬化を早めにチェックすることがとても大切です。ここでは、動脈硬化の原因や症状について解説します。


■動脈硬化とは


動脈硬化とは、動脈が硬くなって弾力性が失われた状態のことをいいます1


具体的には、動脈の壁が分厚くなる(肥厚:ひこう)、硬くなる(硬化)、変形する(改築)などの変化が起きています2。動脈の壁は内膜、中膜、外膜の3層で構成され、動脈硬化では内膜の変化を中心にして、内膜と中膜にこれらの変化が起こります。


日常的にみられる動脈硬化には、粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)と細動脈硬化がありま
2


  • アテローム動脈硬化

    血管の壁の内側に血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)などが入り込み、ドロドロとした物質(プラーク)がついて血管内が狭くなる状態です。この状態になると、血栓ができやすく、突然血管が詰まることもあります1


  • 細動脈硬化

    脳や腎臓にある細い動脈が硝子化したり、傷んで壊死したりする変化で起こります2


■動脈硬化の原因


動脈硬化の原因としてよく知られているのが高血圧です。他にも加齢、喫煙、脂質異常症、飲酒、糖尿病などの危険因子が影響を与えます1


脂質異常症のなかでも、特にLDL-C(悪玉コレステロール)値、総コレステロール値やTG(中性脂肪)値の高い場合、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値の低い場合は、動脈硬化によって起こる疾患の発症や死亡の予測に関わるといわれています3


また、喫煙に関してはたとえ1日1本であっても動脈硬化によって起こりうる疾患のリスクであるといわれています。


このような生活習慣や身体的要因が重なることで、アテローム動脈硬化や細動脈硬化へと進行していきます。


■動脈硬化による症状


動脈硬化は、初期症状がほとんどありません。進行すると症状が現れますが、種類によって出やすい症状が異なります。


アテローム動脈硬化は、冠状動脈(心臓を覆っている血管)、頸動脈、腹部大動脈、下肢の動脈などに起こります4。進行すると、狭心症、脳梗塞や閉塞性動脈硬化症などにつながり、胸痛、麻痺や失語、歩くとふくらはぎが痛むなどの症状が現れます。


細動脈硬化は、脳や腎臓の小さな血管でみられやすく、進行すると小さな脳梗塞や腎硬化症などにつながります。手足の軽い麻痺やもの忘れ、高血圧の悪化などが現れます。


動脈硬化は症状だけで早期発見するのが難しいため、危険因子への対策や、人間ドックでの検査を行うことで予防につながります。


■まとめ


動脈硬化の原因と症状について概要を解説しました。

症状が気になる方はもちろん、今のうちに対策したいという方に向けて、今後のブログで動脈硬化の予防や改善に役立つ生活習慣をご紹介する予定です。


血管年齢を若く保ちたい、動脈硬化について詳しく知りたい、などの疑問やご希望があれば、ぜひ当院へご相談ください。みなさまの健やかな毎日をサポートいたします。


<参考文献>

1, 厚生労働省.e-ヘルスネット 動脈硬化.

2, 上杉 憲子.動脈硬化の病理. 日腎会誌. 2016;58(2):97-103.

3, 日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年度版.第2章動脈硬化性疾患予防のための包括的リスク評価.

4, 中島 豊.アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)の進展と退縮.日内会誌.2008;97:277-83.


Leo葵クリニック
医師
⇒院長の経歴はこちら