心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化 | 仕組みと注意したいサインを解説|Leo葵クリニック|名古屋市新栄の神経内科・内科

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心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化 | 仕組みと注意したいサインを解説


動脈硬化は自覚症状がほとんどないまま進みます。そして、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気として現れることもあります。


特に50歳代以降は動脈硬化が目立ちやすいとされており、見えない不安を抱えている方も少なくありません。


とはいえ、自分では気づきにくいため、何に注意したらよいのか、どのように備えたらいいのかわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。


今回は、動脈硬化と心筋梗塞や脳梗塞との関係、そして具体的な備え方についてご紹介します。


■動脈硬化と心筋梗塞・脳梗塞の関係


動脈硬化とは、動脈が硬くなって弾力性が失われた状態のことを指します1


動脈硬化の原因としてよく知られているのが高血圧です。高血圧や加齢などで傷んだ血管の壁の内側に血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)などが入り込み、ドロドロとした塊(プラーク)が付着することでも起こります。


さらに、血管の内側にできた塊(プラーク)が破れると、そこに血のかたまり(血栓)が形成され、血管が急に詰まることがあります1


心臓の血管でこれが起これば心筋梗塞、脳の血管で起これば脳梗塞につながります。つまり、動脈硬化は、これらの病気の土台となる変化といえます。


動脈硬化についての詳しい説明は以前の記事で解説していますので、こちらもご覧ください。

参考記事:よく聞く「動脈硬化」とはどんな病気? 原因・症状を知って早期発見につなげよう


■動脈硬化を放置するリスク


動脈硬化はほとんどの場合、進行しても自覚症状はありません。


放置することで動脈硬化が進行し、血管の狭窄や閉塞が進む、または、プラークが破綻したときにできた血栓によって発症する心筋梗塞や脳梗塞は、前触れもなく突然に発症することが特徴の1つです。


一方で、腎硬化症などの長期間にわたって静かに進行するタイプの疾患もあり、気が付いたときには人工透析が必要になってしまう、といったケースもあります。


消化管などの複数の血管が血流を送っている臓器であれば、一部の血管が動脈硬化でこれらの障害があっても、他の血管が補ってくれます。


脳や心臓、腎臓など、臓器そのものが一部の血管に血流を依存している状態だと、動脈硬化を放置するリスクを直接受けることになってしまいます。


■このような自覚症状があったら危険なサイン


心筋梗塞や脳梗塞、人工透析が必要になってしまう状態、いずれも可能な限り避けたい道です。では、これらの変化に少しでも早く気づく方法はないのでしょうか。


以下の3つの兆候がある場合は早めの受診を検討しましょう。


  1. 階段や坂道で、胸の圧迫感や息切れが出て、休むと改善する

  2. 手足の動かしにくさやろれつの回りにくさが数分から数十分あった

  3. 長距離を歩くと足が痛む、しばらく休むと再び歩けるようになる


これらは動脈硬化そのものの症状というより、血流が低下したときに現れるサインです。


■動脈硬化を防ぐために意識したいこと


動脈硬化を防ぐために意識したいのは高血圧やコレステロール値を良好な状態に保つことです。そのためには食事の工夫や運動が欠かせません。


具体的には、「1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上の中強度以上の有酸素運動を行うこと」2、「肉が好きな方も、まずは『数回に1回でも魚を選ぶ』こと」などを習慣化するとよいでしょう。


動脈硬化の予防法は以前の記事で詳しく説明していますので、こちらも参考にしてください。

参考記事:動脈硬化は治るの? 今すぐ始めたい予防&改善の習慣


最近は、脳梗塞や心筋梗塞の発症後の方では、LDL(悪玉)コレステロールが正常範囲内でも、スタチン(コレステロールの薬)を飲み続けるケースが増えています。この考え方は脳卒中学会や循環器学会でも広がってきています。


特に、動脈硬化を伴う虚血性脳卒中またはTIA後の患者において、LDLコレステロールを70 mg/dL未満に管理した群は、90〜110 mg/dLに管理した群と比較して、その後の心血管イベントのリスクが低かった3、という結論の文献が注目されています。


この報告によって、「コレステロール関連は、正常値に保つことが目的ではなく、再発予防のためにどれだけ下げるか」という視点になり、「リスクとなる病態そのものに注目して整える」ということを視野に入れることもできます。


つまり、数値そのものの変化よりも、いかに血管を良い状態に保つか、ということが重要になります。


■まとめ


動脈硬化は自覚症状がないまま進み、ある日突然大きな病気として現れることがあります。一方で、日々の生活習慣や体の変化に目を向けることで、そのリスクを和らげることも可能です。


気づきにくい変化だからこそ、少しの違和感や日常の積み重ねを大切にすることが、将来の健康につながります。気になることがあれば、お気軽に当院にご相談ください。みなさま一人ひとりにあった方法をご提案いたします。


<参考文献>

1, 厚生労働省.e-ヘルスネット 動脈硬化.

2, 日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.

3, Pierre Amarenco, M.D et al: A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke. N Engl J Med 2020;382:9-19.



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