こんなお悩みありませんか?簡単にできる睡眠障害のチェック法|Leo葵クリニック|名古屋市新栄の神経内科・内科

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こんなお悩みありませんか?簡単にできる睡眠障害のチェック法



「寝ているはずなのに寝た気がしない」、「寝つきが悪い」、「日中の眠気が強い」などの悩みはありませんか?

これらは、睡眠障害でよくみられる症状です。医療機関に相談すべき症状なのか、そのまま様子をみていていいものなのか、悩んでいる方も多いかもしれません。


簡単なチェックで、様子を見ていて良いものか、相談した方が良いものかを見分けてみましょう。また、自宅でできる対処の方法についてもご紹介します。


1) 睡眠障害の種類


睡眠障害は大きく「入眠障害」「早朝覚醒」「中途覚醒」の3つのパターンに分類されます。3つのうちどれに当てはまるか、チェックしてみましょう。


①入眠障害

 □寝床についてから眠るまでに30分~1時間以上かかる

 □寝床で眠ろうと努力をするが、かえって眠れない


②早朝覚醒

 □本来起きるべき時間よりも2時間以上早く起きてしまう


③中途覚醒

 □眠ってもすぐに起きてしまう状態が続いている

 □夜間に一度起きてしまうと、再度眠りにつくことができない


このような症状は当てはまりませんか?

当てはまる場合は、下記の日中に出やすい不眠の症状もチェックしてみましょう。


 □日中に耐えられない眠気がある

 □寝ても疲れがとれない

 □集中力や注意力、記憶力が低下している

 □イライラしやすい

 □気分が落ち込んだり、不安に駆られたりする

 □眠ることについて心配があり、強い不安を抱いている

 □学業の成績が低下した、または仕事でミスが目立つようになった


①~③の症状があっても、上記の症状がなければ特に病的な意義はないことも多いため、しばらく経過を観察していても問題ないでしょう。

一方で、①~③に上記の症状が一つでも該当すれば不眠の傾向があります。

さらに、それが週3回以上で3か月以上続く場合は慢性不眠症、3か月未満であれば短期睡眠障害と定義されているため、状況の改善が望ましいでしょう。


2) 不眠症の原因


不眠症の原因には、失業や配属の変更などの職業関連のストレスや、配偶者との離婚や死別などの社会的ストレスが引き金になることも多いです。


このようなストレスで一過性に不眠となることがありますが、この時の対処が適切でないとこれが慢性化して不眠症に発展する(1)と言われています。寝付けずに苦しい体験をすると、眠りに対するこだわりが強くなります。そして、寝つけるかどうかが気がかりとなり、頭が冴えて眠れなくなるようです。


1か月以上睡眠障害が持続すると、その後も症状が続いてしまい、難治性となってしまうという過去の疫学調査もあります(2)。このため、睡眠障害がある場合は早めに対処した方が良いでしょう。


3) 睡眠障害の対処法【タイプ別】


ここで、睡眠障害のタイプ別に自宅でできる対処法をご紹介します。


①入眠障害

入眠を阻害するような要因を取り除くのがポイントです。

就寝の4時間前からは、カフェインの入ったもの(お茶類、コーヒー、コーラ、チョコレートなど)は控えるようにしましょう。

就寝目的の飲酒も逆効果です。一時的には寝つきが良くなるものの、徐々に効果は弱まります。

就寝前の喫煙にも注意が必要です。タバコに含まれるニコチンには精神刺激作用があるので控える方がいいでしょう。

また、考え事はなるべく寝床には持ち込まないようにしましょう。考え事で眠れない場合は、無理をせず寝床から離れることも大切です。


②早朝覚醒

早朝覚醒については、加齢による影響が最も大きいため、睡眠の質を上げる工夫をすると良いでしょう。日中の運動や規則正しい食生活などがおすすめです。


③中途覚醒

睡眠が深くなるよう、日中に適度な有酸素運動をするようにしましょう。空腹で就寝すると睡眠が妨げられやすくなるため、空腹の場合は軽い炭水化物の摂取も考慮して良いでしょう。また、寝る前の飲酒は深い眠りを妨げてしまうので注意しましょう。

このほかにも、快適な就寝環境であれば夜間の中途覚醒は減少します。温度や湿度、光や音への対策を行うようにしましょう。



これらの対策を行っても難しい場合は、睡眠障害の原因となる病気が隠れているかもしれません。

うつ病や、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、過活動性膀胱、このほかにも様々な疾患が睡眠に影響を与えます。


いずれにも該当しない場合は睡眠薬を使うこともあります。睡眠のバランスを整えるタイプのものから、超短時間のみ作用するタイプ、長時間作用するタイプなど、いくつかの系統の睡眠薬を使い分けます。そして、睡眠の改善に合わせて内服の減量や終了を検討します。


睡眠障害を引き起こす疾患や、睡眠薬の調整については、脳神経内科である当院でもご相談が可能です。


睡眠障害でお困りの方は、症状が慢性化する前に当院へご相談ください。


<参考文献>

(1)内山 真.「近年における精神医学の進歩―生物学的な側面から」日大医誌 2012;71(6):396-400

(2)三島和夫 編;睡眠薬の適正使用および原薬・中止のための診療ガイドラインに関する研究班:睡眠障害の適正使用・休薬ガイドライン.じほう,東京,2014


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