若い世代でも脂質異常症に注意! 20代・30代健康診断の重要性|Leo葵クリニック|名古屋市新栄の神経内科・内科

トピックス Topics

地下鉄「新栄町」駅から
徒歩30

若い世代でも脂質異常症に注意! 20代・30代健康診断の重要性


コレステロールの異常は中高年の病気、そのような思い込みはありませんか?実は、20代や30代でも健康診断で脂質異常症を指摘されるケースは少なくありません。


忙しい毎日のなかで、朝は菓子パン、昼はカップ麺、夜は外食といった生活が続くと、体調に目立った変化はないのに、血液中のコレステロール値が知らない間に異常値に至る可能性があります。特に、体力に自信のある若い世代では、健康診断を後回しにしてしまうこともあります。


脂質異常症の種類、原因などについてはこれまでのブログ記事でご覧ください。

太っていなくても脂質異常症? 脂質異常症の原因と症状について解説


今回は若い世代でも脂質異常症に対して油断できない理由を解説します。


■脂質異常症は若い世代にも起こる


家族性高コレステロール血症といった遺伝的な理由による例外パターンは除き、20代や30代でも生活習慣で脂質異常症をきたすことはあります。


実際に国内外でも、若い世代で脂質異常症を発症しやすいパターンについて研究されています。


「早食い・満腹後も食べる・朝食を抜く・外食をする」といった食習慣と脂質異常症の有病率との関連を評価した、国内約3万8千人の20歳から39歳の男性を対象にした研究では、次のような結果が報告されています1


▶食事速度が遅い場合と比較して、中等度に速い場合は27%、速い場合は26%、HDL-C(善玉コレステロール)が低い傾向があった


▶満腹後も食べる習慣があると、高TC(総コレステロール)血症は16%、高TG(中性脂肪)血症は11%、高LDL-C(悪玉コレステロール)血症は21%、有病率が増加する


▶朝食摂取頻度が低い場合は、週5回以上摂取する場合と比較して、高TC血症(週1~4回の場合11%増、週1回未満の場合16%増)および高LDL-C高値(週1~4回の場合21%増、週1回未満の場合38%増)の傾向がみられた


▶週5回以上の外食は、高TG血症の有病率が13%高いことと関連していた


このように、特に20代や30代にみられやすい忙しさ優先の食生活は、脂質異常症を発症するリスクになる可能性が高まります。


■痩せている・見た目が普通でも脂質異常症に注意


「若者のコレステロールの異常って、ファストフードを片手に甘い炭酸飲んでいるパターンでしょ?」と思う方もいるかもしれません。


実は、アジア人は肥満がなくても代謝性疾患を発症しやすい傾向があります2


近年の報告で、脂肪組織の「質」、特に「脂肪貯蔵機能」が注目されているものがあります。

非肥満(BMI 25 kg/m²未満)の日本人男性を対象にした研究で、アディポネクチン(adiponectin:AN)と脂肪組織インスリン感受性(adipose tissue insulin sensitivity:ATIS)に着目した内容です。


※ANは脂肪細胞から産生されるたんぱく質の一種で、
脂肪細胞が肥大化すると分泌が低下します3


脂肪組織機能障害は、AN値の低下およびATISの低下を特徴とし、代謝異常と関連しています2


その研究では、ATISが高い非肥満の日本人男性においては、AN値は代謝特性と関連しませんでした。そしてATISが低い場合に骨格筋インスリン感受性の低下が認められ、さらにAN値が低下している場合には、脂肪肝や脂質異常症に代表される複数の代謝異常が認められました2


つまり、脂肪組織の「質」、特に「脂肪貯蔵機能」に異常があると、太っていなくても代謝異常をきたす可能性があることが示されました。


■健康診断で分かる脂質のチェック項目


脂質異常症は、日常生活のなかでは目立った自覚症状はないことが多いです。しかし、動脈硬化の原因の1つであり、動脈硬化は心臓や脳、腎臓などのほか、全身の血管に関係する病気のリスクになります。


健康診断では、HDL-Cやnon HDL-C、LDL-C、TC、TGを測定します。正常値と比較した状態を、A(良い)、B(許容範囲)、C(要注意)、D(要医療)などの判定で評価するパターンもあります。


受診者が自分の状態を知ることで、生活習慣を見直すなど、次の行動に移すきっかけになります。


■まとめ


脂質異常症の発症は、年齢だけの問題ではなく、食事や運動などの生活習慣が大きく影響を与えることがあります。自覚症状が目立たないため、健康診断で早めに発見することが大切です。


健康診断は不安を見つけるためのものや、反対に良い状態に仕上げてから受けるものではなく、今の身体の状態を確認し、身体を良い状態に維持するためのチャンスです。


健康診断で異常値や気になる所見があった場合は、当院へご相談ください。食事、運動習慣の改善のご相談や、医療面でのサポートもいたします。


健康診断のチャンスを活かし、もっと自分らしくいられるカラダづくりを目指しましょう。



<参考文献>

1, Meishan Cui ,et al. Self-reported eating habits and dyslipidemia in men aged 20–39 years: the Japan Environment and Children’s Study. Environ Health Prev Med. 2023 Jul 5;28:41.

2, Mai Kiya et al. Adipose Insulin Resistance and Decreased Adiponectin Are Correlated With Metabolic Abnormalities in Nonobese Men. J Clin Endocrinol Metab. 2021 Apr 23;106(5):e2228-e2238.

3, 公益社団法人日本薬学会:アディポネクチン.薬学用語解説.


Leo葵クリニック
医師
⇒院長の経歴はこちら