
朝、目覚めたばかりの時間に、頭痛や身体のだるさを自覚することはありませんか?そのようなときに試しに血圧を測ると、いつもより高くて驚いてしまうこともあるかもしれません。
気になって病院を受診する頃には、いつもの血圧に戻ってしまっていて、肩透かしを受けたように感じた経験がある方もいるでしょう。
このような血圧の変動を示すパターンを「早朝高血圧」といいます。
早朝高血圧は心臓や脳の血管に負担をかけ、心筋梗塞や脳梗塞などの危険な病気につながることがあります。
実際、診察室血圧が正常でも、早朝血圧のみ高い人の頻度は、10~15%といわれています1。そのため、気づかないうちに早朝高血圧になってしまっている方も少なくありません。
今回は、早朝高血圧が見逃されやすい理由や、早朝高血圧になりやすい人の特徴、早朝高血圧のメカニズムと受診の目安についてご紹介します。
■早朝高血圧が見逃されやすい理由
朝は、睡眠中のリラックスした状態から、活動に備えるため、交感神経が優位になります。そのため、血圧も上がりやすくなります。
また、降圧薬を朝食後に内服している方も多いため、薬の効果が切れただけだと考えてしまうこともあります。他にも、降圧薬を服用している方の約50%に早朝高血圧がみられたという報告もあります1。
実際には、本当に薬効が切れてしまっているのか、内服量が十分ではないのか、それとも早朝高血圧のパターンで血圧が高いのかなどの可能性が考えられます。
これらは24時間血圧計などを使用すると評価しやすくなりますが、日常生活においてはあまり現実的な手段ではありません。
そして、外来で降圧薬を処方されている方のなかでも、毎日朝夕きっちり血圧を測定してグラフにする人もいれば、血圧計が自宅にない方もいます。血圧を測る習慣がない場合は、早朝の血圧の変化に気づきにくいこともあります。
■早朝高血圧のリスクが高い人
早朝高血圧には、夜間も血圧が高いまま続く夜間高血圧型と、早朝にかけて急激に血圧が上昇するサージ型があります。
以下の項目に該当すると、早朝高血圧の発症に関与すると考えられています。
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(文献1,および文献2を参考に作成)
また、これらに加えて、加齢や寒冷などの条件が加わるとさらに早朝高血圧をきたしやすくなります3。
■早朝高血圧の受診の目安 | 正しく血圧を測ろう
早朝高血圧かどうかは自宅での血圧測定でも確認できます。
早朝高血圧は135/85mmHg以上と定義されています。次のような方法で血圧測定をしましょう。
<家庭血圧測定の留意点>
※手首で測定するタイプのものは測定値のズレが生じやすいためなるべく上腕型を用いる ※心臓の位置と高さをそろえて測定する |
(文献1を参考に作成)
毎日測定することが難しい方でも、まずは1週間程度チャレンジしてみるとよいでしょう。
早朝高血圧に該当する場合は、リスクとなる生活習慣の改善からはじめてみましょう。うまくいかない場合は医療機関に相談するのも1つの方法です。
生活習慣改善のアドバイスや、降圧薬の種類や内服タイミングの調整など、一人ひとりの体質に合った方法が見つかるはずです。
■危険な早朝高血圧のサイン
早朝高血圧、特に早朝に血圧がサージ状に上昇するタイプは、心血管系の病気と関連が指摘されています1。
早朝に胸が締め付けられるような感覚や、呂律が回りにくいといった症状を経験した場合は、危険な早朝高血圧のサインの場合があります。症状が一時的であったとしても、なるべく早く医療機関を受診することを検討しましょう。
■まとめ
血圧は1日を通して安定していることが大切です。特に早朝高血圧は気づきにくく、心臓や脳の血管に悪影響を与える危険性があります。まずは血圧測定の習慣から始めてみましょう。
<参考文献>
1, 苅尾七臣: 早朝・夜間高血圧の意義と検出方法―24時間パーフェクト血圧管理に向けて.心臓.2007;39(10):874-82.
3, 苅尾七臣: 高血圧の最新治療.日内会誌.2018;108(3):514-26.
